↑上顎前突(じょうがくぜんとつ):上の歯が過度に前に出ている状態
↑開咬合(かいこうごう):前歯が咬んでいない状態
上の写真は、指しゃぶりのせいで、歯並びやかみ合わせにその影響が出てしまった症例です。
私の住んでいる上越市では、乳幼児歯科検診の問診で、「指しゃぶりをしてますか?」ってお母様や保護者の方に問診する項目があります。
何気なく保護者の方は「やってます」とか「やってません」って返事をくれてましたが、先日「何で指しゃぶりはいけないんですか?」っていう質問を受けました。今回は、何回かに分けてこの「指しゃぶり」について考えてみたいと思います。
まず、「指しゃぶり」ですが、文字通り指をしゃぶる行為です。お店に売っている「おしゃぶり」をしゃぶることは違います。
もともと、「指しゃぶり」は、お母さんのおっぱいを吸うための本能的な、反射的な行動です。なので、新生児のうちの指しゃぶりは生理的なもので問題はありません。口の周りの感覚が発達する始まりで、お母さんのお腹の中に居るときから指しゃぶりは行われています。また、乳児期(生後2ヶ月-1歳)の指しゃぶりも、手と口の協調運動であり、お口の発達で欠かせないトレーニングです。赤ちゃんの不安な気持ちを落ち着かせる役割もあるため、幼児期前期(3歳)までの指しゃぶりは生理的なものとして考え、問題視する必要はありません。
一方、4歳以上のお子様は指しゃぶりを卒業しても良い時期と考えましょう。それ以降指しゃぶりを続けると顎の骨が変形します。しゃぶり方やその程度にもよりますが、上の写真のような歯並びや、かみ合わせに影響があらわれます。 ただし、ほとんどの場合は、3-4歳を過ぎると自然と治ります。治らないようであれば手で使う遊びに誘ってみましょう。理解できる年齢であれば、指しゃぶりの影響などをやさしく話してみるのもいいかもしれません。私自身、自分の子供の指しゃぶりがとても気になってしまい、矯正歯科医の子供なのに。っと思って無理やりやめさせようとした経験があります。子供が指しゃぶりをしているところを見つけたらすかさず指摘して注意したり、指にテープを張ったり、今かえら考えると子供のことを考えずに無茶なことをしていたものと思います。結局、このようなことをしても子供の指しゃぶりは治らず、逆に子供にストレスを与えるだけ逆効果だったように感じます。その後、私は、無理にやめさせることはやめようと思い直し、子供に分かるように言い聞かせをしてみようと思いました。
「指しゃぶりは赤ちゃんみたいだから、だんだん止めていこうね」
「指には、ばい菌がいるから、ちゅぱ、ちゅぱするとばっちいいんだよ」
良くない”というニュアンスのみ伝えるようにして、しているところを見つけても指摘したり注意するということを一切やめました。大人になっても指しゃぶりをつづける子供はいないはずだから・・・・と開き直った、数ヵ月後気がつくと子供の指しゃぶりがをする頻度が徐々に減っていき、ある日気がつくと指しゃぶりを全くしなくなっていました。